COLUMNAI導入

やらなかった理由を、後の人のために書き残す

「やったこと」は誰でも書きます。書かれないのは「やらなかったこと」と、その理由です。同じ1日の中で、この差に助けられたことと、この差に刺されたことが両方ありました。

執筆: TEDIT(アポマル・カイランマルの開発元)

助けられた7件、刺された5件

同じ1日の中で、両方が起きました。過去の書き残しに助けられたことが7件、書き残されていなかったことに刺されたことが5件です。

同じ日に両方の側を経験すると、はっきり分かります。書き残す・残さないの差は、運の問題ではなく、次の人がその日を持つかどうかの問題です。

最大の1件 — 日付つきの「採らなかった理由」

助けられた側の最大の1件はこうでした。前に触った人が、「この直し方は過去に別の問題を起こしたので採らなかった」という判断を、日付つきで書き残していたのです。

もしそれが無ければ、原因ではない場所に例外を4行入れて、穴を1つ増やす変更を出していました。見た目は直っているように見えるので、気づくのはもっと後になっていたはずです。

刺された側の型、3つ

刺された側の5件には、3つの型がありました。

  • 「無い」と書いたが、実際には在った。探した範囲を書かなかったせいです。
  • 数を報告したが、数え漏れがあった。数えた根拠と、外したものを書かなかったせいです。
  • 同じ処理が別の場所にもあることを書かなかったせいで、3か月見逃しました。

3つとも、「書いた内容が間違っていた」のではありません。書かなかった前提が原因でした。

いちばん痛い形 — 古い方が選ばれる

いちばん痛かったのは、書いてあったのに、配る側が古い方を見てしまった形です。

正しい記録は存在していました。けれど、どれが正なのかが書かれていなかったので、更新前の古い方が選ばれてしまいました。記録があることと、正しい記録にたどり着けることは、別の話です。

書くこと、3つ

ここから、書くことを3つに決めました。

  • なぜそうしなかったか(採らなかった案と、その理由)
  • 日付と経緯
  • 「対象外と判断した」という事実も、消さずに残す(一覧から消すと、次の人が同じ調査をやり直すことになります)

これはコードだけの話ではありません。手順書・設定・記録・報告書など、次に読む人がいるもの全般に当てはまります。AIに任せる仕事でも同じです。やらなかった理由が書いてなければ、AIも同じ落とし穴に入り直します。

よくある質問

「やらなかったこと」まで書くと、記録が長くなりませんか。

なります。ただ、長くなるのは今回だけです。書いておけば、次の人は同じ検討をやり直さずに済みます。

「対象外」と判断したものは、消していいのではないですか。

消すと、次の人は「まだ誰も検討していない」と誤解して、同じ調査をゼロからやり直します。判断済みという事実だけでも残すべきです。

日付まで必要ですか。

必要です。同じ判断でも、時期が違えば前提が違います。日付が無いと、いまも有効な判断なのかが分かりません。

出典

  1. 本文の7件・5件・4行・3か月の各数字は、自社の実測(2026-08-27)に基づく自社の事例です。(2026-09-17 確認)
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