事務局の一日は、こう過ぎていきます
医師会・士業会・組合など、事務局を持つ団体であれば、たいてい同じ一日があります。
- 会合の案内をつくり、人数分を刷る
- 封筒に入れて、宛名を貼り、切手を貼る
- 出欠の FAX が返ってくるのを待つ
- 返ってこない方に、電話をかける
- 留守だった方に、もう一度かける
- 集まった返事を、手で表に写す
気がつくと、夕方になっています。この一日は、何の一日だったのでしょうか。案内の中身を考えた時間は、たぶん最初の 30 分だけです。残りは全部、届けることと、返事を集めることに使われています。
この記事では、事務局の連絡業務がどこで時間を使っているのかを分解します。郵送や FAX をやめましょう、という話ではありません。やめないほうがよい部分も、あとで書きます。答え合わせは最後に置きます。
連絡業務は、3 つの仕事に分かれます
「連絡業務」とひとまとめにすると、打ち手が見えません。中身を開けると、性質の違う 3 つが入っています。
- 配る — 案内・お知らせを、必要な相手に届ける仕事
- 集める — 出欠・アンケートの回答を、期限までに揃える仕事
- 渡して残す — 資料を渡し、あとから開ける状態にしておく仕事
時間がいちばん溶けているのは、多くの場合 2 つ目です。1 つ目は「送ってしまえば終わり」ですが、2 つ目には終わりがありません。返ってくるまで、追いかけ続けることになるからです。工程ごとに並べると、こうなります。
| 郵送・FAX・電話 | グループ LINE | 事務局向けの連絡ツール | |
|---|---|---|---|
| 案内を配る | 刷る・封入・切手 | すぐ送れる(雑談に埋もれる) | すぐ送れる(公式連絡だけが 1 対 1) |
| 出欠の回収 | FAX の返信を待つ | スタンプと文章 | ボタン |
| 未回答の把握 | 手で消し込む | 既読の数だけ | 自動で一覧(お名前つき) |
| 集計 | 手で表に写す | 人が数える | 自動 |
| 資料 | 同封する・あとから探せない | 保存期間が切れると消える | クラウド保管・リンク切れなし |
| 名簿 | 事務局の表と突き合わせ | 誰が入っているか正確には分からない | 名簿と配信が連動・連携状況が見える |
| 引き継ぎ | 紙の手順書 | 個人のスマートフォンに依存 | 組織のデータとして残る |
※ 一般的な進め方をまとめたもので、個別の製品の機能を断定するものではありません。
配る — 「送った」と「届いた」は別のことです
郵送は、確実に住所には届きます。ただし届くのは、投函が終わってから数日後です。そして、開封されたかどうかは分かりません。
では一斉メールやグループ LINE なら解けるかというと、別の問題が出てきます。メールは迷惑メールフォルダに入り、グループ LINE では公式の連絡が雑談に埋もれます。どちらも「送った」までは速くなりますが、「届いた」の確認は残ったままです。
配る側で見ておきたいのは、次の 4 点だと思います。
- 部会・地区班ごとに送り分けられるか — 全員に送ると、関係のない方にも届きます。関係のない連絡が続くと、次の連絡も読まれなくなります
- 複数の班に同時に送ったとき、両方に所属している方に 2 通届かないか — 重複は、受け取る側の信頼をいちばん削ります
- 役職ごとの配信ができるか — 全会員向けと、役員向けは、内容が別のことがほとんどです
- 名簿から外したら、配信が止まるか — 退会された方に届き続ける状態は、後始末のほうが手間になります
3 つ目と 4 つ目は、地味に見えて効きます。全員に同じものを送り続ける運用は、事務局の手間としては軽いのですが、受け取る側の読む気を少しずつ削ります。読まれない連絡が増えると、結局また電話をかけることになります。
集める — 返ってこないのは、返しにくいからです
出欠が返ってこないとき、相手の熱意の問題として片付けたくなります。ただ、返す側の手順を並べてみると、たいていこちらに理由があります。
FAX で返すには、用紙を探し、丸を付け、FAX の前まで行く必要があります。メールで返すには、文面を考える必要があります。返事の手間が大きいほど、「あとで」に回され、そのまま忘れられます。
集める側で見ておきたいのは、この 4 点です。
- 返事が 2 択のボタンで済むか — 「FAX に丸を付けて送信」より、指 1 本のほうが返ってきます
- 誰が答えて誰が答えていないかが、お名前で分かるか — 追いかける相手が特定できない集計は、集計とは呼べません
- 未回答の方にだけ、その場から個別に送れるか — 全員への再送は、答えた方にとっては催促です
- 日程調整のような、2 択ではない問いにも使えるか — 選択肢を並べて聞ける形があると、往復が 1 回減ります
3 つ目に補足します。未回答の方だけを追えるかどうかで、電話の本数が変わります。50 名の名簿で 40 名から返事が来ていれば、かける先は 10 件です。ところが、誰が答えたかが分からない仕組みだと、50 件かけるか、かけるのをやめるかの二択になります。集計は、追いかける相手を絞るための作業です。
もう一点。全員への再送は、すでに答えた方にとっては催促として届きます。「まだ答えていない方へ」だけ送れる形になっているかは、確認しておいて損がありません。
渡して残す — 資料は、渡したあとのほうが長い
見落とされやすいのが 3 つ目です。会報、当番表、講演会の資料。これらは配って終わりではなく、必要になるのは配った数週間後だったりします。
「前に送っていただいた資料が開けないのですが」という一本の電話が、事務局の仕事を二度発生させます。探して、送り直して、また同じ質問が別の方から来る。渡し方を変えると、この往復がなくなります。
- 期限切れしない URL で渡せるか — 「前に送った資料が開けない」という連絡は、事務局の仕事を二度発生させます
- PDF と画像以外も送れるか — 会議資料が Word や Excel のままのことは、実務ではよくあります
- 元のファイル名のまま残るか — 名前が変わると、「どれが最新か」が分からなくなります
- 前の配信を、あとから見返せるか — 「いつ何を送ったか」は、事務局の記録そのものです
ここは、道具の細かい仕様が実務にそのまま出る領域です。ファイル形式や保存の期限は、検討のときに具体的に聞いてみてください。
担当が替わっても、仕組みは残りますか
団体には、他の組織にない条件があります。役員が任期で交代し、事務局の担当も替わることです。決めた人が、数年後にはいません。
この条件を無視して選ぶと、こうなります。前の担当者の個人のスマートフォンにグループがあり、パスワードは引き継ぎ書のどこかにあり、名簿の最新版がどれか分からない。よくある景色だと思います。
引き継げる仕組みかどうかは、次の 4 点で見分けられます。
- 名簿と配信の履歴が、個人のスマートフォンではなくクラウド側にあること
- 次の担当の方に渡すのが、管理画面へのアクセスだけで済むこと
- 名簿の入れ替えが、抜ける方を外して新しい方を取り込む操作で終わること(手入力のほか、CSV での一括取り込みに対応している形が扱いやすいです)
- 操作が、覚え直しを必要としない程度に少ないこと — 引き継ぎの説明が長い仕組みは、代替わりのたびに劣化します
言い換えると、連絡の仕組みを「担当者個人の持ち物」にするか、「組織の資産」にするかという選択です。道具を選ぶより前に、ここを決めておくと迷いません。
郵送と FAX が残る領域があります
デジタル化の道具を作っている立場で言うのも変ですが、置き換えないほうがよい領域があります。
置き換えないほうがよい 3 つの領域
- 定款や規約で書面の送付が定められている通知 — 電子化の可否は規約の定めと会員の承諾の取り方に関わります。必ず、団体の顧問や専門家にご確認ください。この記事は、その領域を置き換える提案ではありません
- LINE をお使いでない会員の方への連絡 — 配信型の道具は届きません。移行の期間は、郵送との併用が前提になります
- 会員同士の議論や、横のつながりでの相談 — 公式連絡の道具は、議論の場には向きません。総会や部会など、従来の場がそのまま残ります
全部を移そうとすると、たいてい破綻します。急ぐ連絡と、返事が欲しい連絡。まずこの 2 つだけを寄せて、残りは今までどおりでも、事務局の一日はずいぶん変わります。
答え合わせ — 私たちが作っているもの
TEDIT では、団体の事務局向けに連絡ツール「カイランマル」を作っています。ふだんの連絡と、災害の日の安否確認を 1 つで行う道具です。宣伝になってしまうので、事実だけを書きます。
- 会員名簿をクラウドで管理します。手入力・CSV での一括取り込み・LINE の友だち追加の自動連携に対応し、連携状況がひと目で分かります
- 団体自身の LINE 公式アカウントから、会員お一人ずつへ 1 対 1 で届きます(グループ投稿ではありません)。部会・地区班ごと、役職別の配信もできます
- 複数の班へ同時に配信しても、両方に所属している方に届くのは 1 通だけです
- 出欠ボタンの回答は自動で集計されます。回答者のお名前つきで一覧になり、未回答の方だけが残ります。その方にだけ個別に送ることもでき、送信の履歴も残ります
- 選択肢を並べる自由アンケートにも対応しています(選択肢は最大 13 個・回答は自動集計)。日程調整や賛否の確認に使えます
- 資料はクラウド保管で、期限切れしない URL が本文に自動で付きます(1 件 10MB まで。PDF・画像に加えて Word・Excel・PowerPoint など 9 種のファイル形式に対応)。元のファイル名のまま保存され、日本語のファイル名にも対応しています
- ボタンでは伝えきれない返信は、自由なテキストで事務局に届きます。要支援の回答とコメントは即時に通知され、通常の回答では鳴りません
- 配信が届いた数を確認できます。管理画面はスマートフォンのブラウザで動くので、事務局が出先でも発信できます
対応予定のもの
- 会員の方から事務局への写真・ファイル送信(被災状況の収集)は、現在対応を進めています(対応予定)
できないことも先に書きます
- 災害時の配信は、事務局からの手動発信です(震度などに連動した自動発動は、今後の上位プランで対応予定です)
- LINE 公式アカウントはお客様のご契約となり、配信数に応じた費用が別途かかります。導入前に総額のご試算をお出しします
- 添付ファイルは 1 件 10MB までです。写真の多い資料は、PDF 化のご案内をしています
- LINE をお使いでない会員の方には届きません。移行期間中は郵送との併用をおすすめしています
- 会員同士で議論する場ではありません(公式連絡専用です。横の交流は、従来どおりの場で)
- 会員の方の発言が事務局に届く経路は、チャット機能をオフに設定することで閉じられます(導入時に設定します)
会員の方にお願いするのは、LINE での友だち追加が一度だけです。アプリのインストールも、ID の発行も、操作の説明会もありません。費用は会員数や使い方によって変わりますので、ご相談のときに総額でのご試算をお出しします。30 日の無料トライアルつきで、契約の縛りはありません。
冒頭の一日に戻ります。刷って、封入して、切手を貼って、FAX を待って、電話をかけて、手で表に写す。この並びのうち、案内の中身を考える時間だけは、これからも事務局の仕事です。それ以外の工程が短くなれば、その分を、中身のほうに戻せます。
よくある質問
医師会以外の団体でも使えますか?
使えます。士業会・組合・協会・連合会など、事務局が名簿を持ち、会員に案内を出して出欠や回答を集めている団体であれば、そのままお使いいただけます。ご案内のページでは歯科医師会での使い方を例に説明していますが、部会・地区班ごとの配信、出欠の自動集計、資料の配布といった機能の使いどころは、事務局のある団体であれば共通です。実際の運用にどう当てはまるかは、導入の前に個別にご相談ください。
会員に高齢の方が多く、LINE を使っていない方がいます。
使っていない方には届きません。ここは正直にお伝えするしかない部分です。実際の導入では、移行の期間を設けて郵送との併用から始める団体さまが多くいらっしゃいます。LINE で受け取る方が増えるほど、郵送する通数が減っていく形です。全員が一度に切り替わることを前提にした計画は、立てないほうが安全だと考えています。
事務局の担当者や役員が交代しても、引き継げますか?
名簿も配信の履歴もクラウド側にあるため、個人のスマートフォンやアカウントには依存しません。次の担当の方にお渡しするのは、管理画面へのアクセスです。名簿の入れ替えも、抜ける方を外して新しい方を取り込む操作で完了します(手入力のほか、CSV での一括取り込みに対応しています)。グループを毎年作り直す作業はありません。
費用はどのくらいかかりますか?
会員数や使い方によって変わりますので、個別にご相談ください。あわせてご承知おきいただきたいのが、LINE 公式アカウントはお客様のご契約となり、配信数に応じた費用が別途かかることです。本体の費用だけでご検討いただくと、あとから総額が見えてくることになりますので、ご相談のときに総額でのご試算をお出しします。30 日の無料トライアルをご用意していて、契約の縛りはありません。