「大丈夫でしょうか」に、感想で答えないために
数年前に作ったきり、担当していた社員はもういない。更新の仕方も分からないまま、なんとなく動いている。多くの会社のサイトが、この状態にあります。そして「まずいのかもしれない」という気持ちだけが、ずっと残っています。
この不安がやっかいなのは、確かめる方法が分からないことです。だから、こう聞かれます。「うちのサイト、このままで大丈夫でしょうか」。
ここで返ってきがちな答えを、3 つ挙げてみます。
- 「デザインが少し古いですね」——好みの問題であって、直したところで何が変わるのかを説明できません
- 「SEO 対策をしたほうがいいですよ」——何をどうするのかが決まっていない状態で、費用だけ先に決まってしまいます
- 「AI 対策が必要です」——いま流行している言い方ですが、これも中身を分けて話さないと、実際には起きていない問題まで課題に見えてしまいます
どれも間違いではありません。ただ、共通しているのは「測っていない」ことです。測っていない状態で出てきた課題は、直したあとに直ったかどうかも分かりません。
そこで当社は、先に測ることにしました。9 つの項目を機械で測って、項目ごとに ◎ / △ / 要対応 の判定をつけてお返しします。感想ではなく、数字と事実でお答えするためです。以下、実際にお渡ししているものの中身を、そのまま順に説明していきます。
まず、質問を 2 つに分けます
この診断は、はじめから 2 軸に分けて出します。ひとつの「AI 対応スコア」にまとめてしまうと、いちばん大事な違いが消えてしまうからです。
- ① Google から見て(検索結果・AI による概要・AI モード)——Google の AI 機能は、専用のプログラムが別に読みに来るのではなく、従来の検索用プログラムが集めた情報を使っています。そしてその検索用プログラムは JavaScript を処理できます。つまり Google に対しては、これまでの検索対策がそのまま AI 対策になります
- ② Google 以外の AI から見て(ChatGPT・Claude・Perplexity など)——これらは自前のプログラムで読みに来ます。そして実測では、JavaScript を実行していません ※1。本文が JavaScript でしか表示されないサイトは、これらから見て中身が空に見えている可能性があります
いちばん大きな差が出るのは、JavaScript で本文を組み立てているサイトです。Google では問題にならないのに、ChatGPT・Claude・Perplexity からは中身が空に見える。つまり片方が ◎ で、もう片方が要対応ということが、実際に起こります。1 つのスコアにまとめてしまうと、この状態が「まあまあ」に見えてしまいます。
なお、この JavaScript の点だけなら、ご自身のブラウザで 30 秒あれば確かめられます。手順は別の記事に書いていますので、まず自分で見てみたいという方はそちらをご覧ください。診断は、そこで分からない残りの項目まで含めて機械で測るものです。
測る 9 項目と、どちらの軸に効くか
何をどう測るかを、先に全部お見せします。診断してから基準を持ち出すことはしません。
| ① Google から見て | ② Google 以外の AI から見て | |
|---|---|---|
| ① JavaScript なしで読める本文量 | 関係なし | とても効く |
| ② リンク切れ | 効く | とても効く |
| ③ URL の重複 | 効く | 効く |
| ④ h1 の数 | 効く | 効く |
| ⑤ title と description | 効く | 効く |
| ⑥ sitemap.xml と robots.txt | 効く | 効く |
| ⑦ スマートフォン表示 | 効く | 関係なし |
| ⑧ 見出しの階層 | 報告のみ | 報告のみ |
| ⑨ 構造化データ(JSON-LD) | 報告のみ | 報告のみ |
(同じ項目でも、軸によって効き方が違います。⑧ と ⑨ は判定を出さず、事実の報告に留めます)
この並びには理由があります
①の「JavaScript なしで読める本文量」が Google では「関係なし」になっているのは、Googlebot が JavaScript を処理できるからです。ここを混ぜて「AI に読まれません」と言うと、Google では起きていない問題まで課題に見えてしまいます。
②の「リンク切れ」が Google 以外の AI で「とても効く」なのは、巡回の効率が関係しています。AI のクローラは「見つかりません」に当たる割合が 34% 台という実測があり、Google の検索クローラは 8.2% でした ※1。行き止まりに当たって帰る回数が多い相手ほど、切れたリンクの損失は大きくなります。
- ③ URL の重複 —— www の有無や末尾のスラッシュ有無で、同じページに複数の入口ができていないかを見ます。入口が分散すると、評価も分散します
- ④ h1 の数 —— 1 ページの大見出しがいくつあるか。原則は 1 つです。複数あると「このページは何の話か」を機械が特定できません。継ぎ足しで更新されてきたサイトで、よく起きます
- ⑤ title と description —— 各ページの題名と説明文が、そのページ固有の内容になっているか。「お知らせ - 会社名」のような題名が全ページに付いている例は実際にあります。検索結果に表示される文そのものなので、Google では特に効きます
- ⑥ sitemap.xml と robots.txt —— クローラに「どこを見ればよいか」を伝える基本的な仕組みです。存在するか、robots.txt から正しくサイトマップを参照しているかを確認します
- ⑦ スマートフォン表示 —— 幅 390px で横スクロールが起きていないか、文字が切れていないかを測ります。これは AI のためではなく、人が読めるかどうかの項目です。お問い合わせの多くがスマートフォン経由だからです
残る ⑧「見出しの階層」と ⑨「構造化データ(JSON-LD)」の 2 つだけ、判定をつけません。理由は次の節で書きます。
どこからが「要対応」なのか
判定の線引きも、診断の前に公開しています。あとから基準を動かせないようにするためです。判定を出すのは 7 項目です。
| ◎ 問題なし | △ 気にしておく | 要対応 | |
|---|---|---|---|
| JavaScript なしの本文量 | 主要ページの本文がそのまま読める | 一部のページで本文が出ない | トップページの本文が出ない |
| リンク切れ | 0 件 | 1〜4 件 | 5 件以上 |
| URL の重複 | 正規化されている(重複する入口が 1 つに寄せられている) | 一部に重複あり | 同一内容に複数 URL が広く存在 |
| h1 の数 | 全ページ 1 つ | 一部のページで 0 個または 2 個 | 3 個以上のページがある |
| title と description | 全ページ固有の内容 | 一部が重複、または未設定 | 全ページ同一、または広く未設定 |
| sitemap.xml / robots.txt | 両方あり、robots からサイトマップを参照 | どちらか欠けている | 両方なし |
| スマートフォン表示 | 横スクロールなし | 一部のページで発生 | 主要ページで発生 |
(この表がそのまま判定基準です。同じ基準を、どのサイトにも同じように当てます)
判定しない 2 項目について
「見出しの階層」は、h1 → h2 → h3 の順序が飛んだり逆転していないかを見る項目です。ただ、デザイン上の理由で意図的に飛ばしている場合もあります。良し悪しを断定できないので、構造の事実としてだけ報告します。
「構造化データ(JSON-LD)」は、見解が分かれている論点です。Google は公式ガイドで「生成 AI 検索に構造化データは必須ではなく、追加すべき特別なマークアップもない」と明記しています ※3。一方で Microsoft は、自社の仕組みの理解に構造化データを使っていると述べています。提供元によって言っていることが違うわけです。
ですから当社は、有無の報告に留めます。「入れないと AI に選ばれません」という説明はしません。入れる価値はある、ただし AI のために必須というわけではない。現時点で言えるのは、そこまでです。
この診断では測れないこと
ここが、この記事でいちばん書いておきたい節です。測れる範囲を先にお伝えしないまま「AI 対策できます」と言うのは、誠実ではないと考えています。
測れないもの、3 つ
- AI が実際にあなたのサイトを引用するかどうか。当社が調べた限り、引用されるかを左右する最大の要因は「サイトの外」にありました(他のメディアでの言及、名前で検索される回数など)。サイトの中をいくら整えても、そこは動きません
- 「AI での順位」。同じ質問を 2 回して同じ並びが返る確率は 1/100 未満という調査があり ※2、順位として測ること自体に意味がありません。当社はこれを測りませんし、測れると謳うこともしません
- 検索順位そのもの。この診断は「機械が読める状態か」を測るもので、順位を予測するものではありません
つまりこの診断は「見えているか」までを測るものです。「選ばれるか」は、実際のお仕事の積み重ねと、外での評判が決めます。診断で全項目 ◎ が並んでも、それだけで引用が増えるとはお約束できません。
見えていなければ、その先の話に入れない。だから測る価値はあります。ただ、土台であって魔法ではありません。
無料の範囲と、有料になる範囲
どこまでが無料かをはっきりさせておきます。あとから追加費用をお願いすることはありません。
無料でお出しするもの
- 9 項目の機械測定(主要ページ最大 10 ページ)
- 結果レポート(項目ごとに ◎ / △ / 要対応 の判定と、その理由)
- 所見(優先度をつけて、どこから直すべきか)
- ご希望があれば 30 分の読み合わせ(オンライン)
別途お見積もりになるもの
- 10 ページを超える大規模サイトの全ページ調査
- 競合との比較調査・キーワード調査
- 実際の改修作業(部分改修 / 土台からの作り直し)
- 継続的な計測とレポート
お見積もり自体は無料です。
そして、診断の結果として改修が必要になった場合でも、当社にご依頼いただかなくて構いません。レポートはそのままお持ちいただき、他社様にご相談いただいても問題ありません。判定基準を公開しているのは、そのためでもあります。
受けるまでの流れと、返ってくるもの
お申し込みから、レポートが届くまでの流れです。
- STEP 1:お問い合わせフォームから、サイトの URL をお送りください。ご相談の段階でも構いません
- STEP 2:当社で機械測定を行います(通常 2〜3 営業日)
- STEP 3:レポートをメールでお送りします
- STEP 4:ご希望があれば読み合わせ。改修のご相談も、そのときで結構です
送っていただくのは、サイトの URL とご連絡先だけです。社内資料もアクセス解析の権限も要りません。外から見える情報だけで測るので、こちらで準備をお願いすることはありません。
返ってくるのは、9 項目それぞれの測定結果と、判定と、その理由。そして 2 軸それぞれの総合判定です。加えて、直すとしたらどこから手をつけるべきかを、優先度をつけた所見としてお付けします。
読み合わせは、ご希望があればで結構です。レポートだけ受け取って終わりにしていただいても構いません。メール(info@tedit-design.jp)・LINE(@567smspc)でも承っています。
答え合わせ —— 自分のサイトの結果を先に出している理由
ここまで読んで、ひとつ引っかかっている方がいるかもしれません。診断する側が、改修を請け負う側でもある。それでは課題を大きく言いたくなるのではないか、と。
そのとおりです。だから、仕組みで防ぐことにしました。お約束は 3 つです。
- 判定基準を、診断の前に公開しています。診断してから基準を持ち出すことはしません。同じ基準で、どのサイトも同じように測ります
- 問題がなければ「問題ありません」とお伝えします。実際に、直すところがほとんどないサイトもあります。無理に課題を作って改修をおすすめすることはしません
- 自社のサイトも、同じ基準で結果を公開しています。未実装の項目も隠さずに出しています。自分が測られる側に立たない診断は、信用に足らないと考えているからです
3 つめについて、実際の数字を出しておきます。当社サイト(tedit-design.jp)を同じ基準で測った結果です。2 軸とも「◎ 問題なし」でした。
| 結果 | |
|---|---|
| JavaScript なしで読める本文量 | トップ 1,914 文字 / 製品ページ 9,635 文字 |
| h1 の数 | 全ページ 1 個 |
| 構造化データ | トップ・製品ページに各 6 件 |
| sitemap.xml / robots.txt | あり(robots からサイトマップを参照) |
| llms.txt(AI 向けの案内ファイル) | 未実装(404) |
(測定日: 2026 年 8 月 6 日。同じ測り方を、皆さまのサイトにも適用します)
最後の 1 行に注目してください。llms.txt は AI 向けの案内ファイルとして提案されている仕組みですが、当社サイトには実装していません。調べた限り、主要な AI 提供元による公式サポートは確認できず、Google は公式ガイドで「作っても表示や順位に害も利益もない」と明記しており ※3、同社の検索担当者も推奨ではないと述べています ※4。根拠が確認できないものは実装しない、という判断です。もし今後、実際に効果が確認できたら実装します。
自分のサイトの未実装項目を隠したまま、他社様のサイトを測るわけにはいきません。そしてもうひとつ、この診断の姿勢についても書いておきます。当社は「AI に選ばれるサイトを作ります」とは言いません。AI 向けに文章を書き換える施策は、統制実験でほとんど効果が確認できませんでしたし ※5、Google 自身も特別な対策は不要だと明記しているからです ※3。言うのは「AI から見えていない状態を解消します」まで。この診断も、そこまでを測る道具です。
ですから、「いま急いで何かする必要はありません」という結果になることも、正直にお伝えします。それを聞いて安心していただくのも、この診断の目的のひとつです。冒頭の「うちのサイト、このままで大丈夫でしょうか」に、ようやく事実で答えられるようになる。それがこの 9 項目です。
よくある質問
無料と書かれていますが、あとから費用が発生しませんか?
9 項目の機械測定(主要ページ最大 10 ページ)、判定と理由を書いた結果レポート、優先度をつけた所見、ご希望があれば 30 分の読み合わせ。ここまでが無料の範囲です。あとから追加費用をお願いすることはありません。10 ページを超える大規模サイトの全ページ調査、競合との比較調査やキーワード調査、実際の改修作業、継続的な計測は別途お見積もりになります。お見積もり自体は無料です。
「要対応」が出たら、御社に改修を頼まないといけませんか?
いいえ。レポートはそのままお持ちいただいて構いませんし、他社様にご相談いただいても問題ありません。判定基準をこのように事前公開しているのは、そのためでもあります。基準が公開されていれば、当社以外の方が見ても同じ判断ができるからです。診断する側が売り手だと、課題を大きく言いたくなる圧力がかかります。それを仕組みで防ぐための公開です。
9 項目すべてが ◎ になれば、AI に引用されるようになりますか?
それはお約束できません。この診断が測るのは「見えているか」までで、「選ばれるか」は測れないからです。当社が調べた限り、引用されるかを左右する最大の要因はサイトの外(他のメディアでの言及や、名前で検索される回数など)にありました。ただ、見えていなければその先の話に入れないのも事実です。土台であって、魔法ではない、という位置づけでご覧ください。
結果が全部 ◎ だったら、意味がなかったということでしょうか?
そうは考えていません。「いま急いで何かする必要はありません」と分かること自体が結果です。不安なまま何かに費用をかけるより、測ったうえで見送るほうが、たいていの場合は得だと思います。当社としても、直すところがほとんどないサイトに無理な提案はしません。そのときは正直に「問題ありません」と書いてお返しします。
出典
- The rise of the AI crawler — Vercel(自社ネットワークのクローラ実測。JavaScript を実行しないこと、「見つからない」応答の割合が高いことの出典)(2026-08-06 確認)
- AI の推薦結果の一貫性に関する調査 — SparkToro(600 名の協力者・2,961 回のプロンプト実行、2026 年 1 月公開)(2026-08-06 確認)
- Guide to optimizing for generative AI features — Google 検索セントラル(構造化データ・専用ファイル・分割の必要性についての公式見解。2026 年 7 月 10 日更新)(2026-08-06 確認)
- Google 検索担当者による llms.txt に関する言及(推奨ではないことの報道)(2026-08-06 確認)
- C-SEO Bench: Does Conversational SEO Work?(Puerto et al., 2025。2 タスク×3 ドメイン・約 1,900 クエリ・16,360 文書・54 組合せの統制実験)(2026-08-06 確認)