COLUMNAI導入

「重複なし」は、何を重複と決めたかまでがセット

「重複チェック、合格」と表示が出ていたのに、同じ時刻に別の投稿が二重に入っていたことがあります。検査は動いていました。ただ、動いていたのは「私たちが決めた範囲」だけでした。

執筆: TEDIT(アポマル・カイランマルの開発元)

合格していた、けれど重複していた

予約投稿の重複チェックは、通っていました。機械は「合格」と表示していたのです。

ところが、登録したあとの一覧を読み返したとき、同じ時刻に別の投稿が二重に入っていることに気づきました。検査は正常に動いていて、エラーも出ていません。それでも重複は起きていました。

抜けていたのは「同じ」の定義

原因を確かめると、チェックは「同じ文章」しか見ていませんでした。文章が違えば、時刻が同じでも重複とは判定しません。今回二重になったのは、文章は違うが時刻が同じ投稿だったので、チェックの網から外れていたのです。

ここで得た芯はこうです。「重複なし」は「何を重複と定義したか」までがセット。合格の表示は、検査の性能を保証しているのではなく、決めた定義の範囲で保証しているにすぎません。

定義を先に、言葉にする

直す手順は、まず何を「同じ」と見なすかを、先に言葉で書くことから始めました。文章が同じなのか、時刻が同じなのか、相手が同じなのか、それともこの組み合わせなのか。ここを曖昧にしたまま検査を作ると、検査は作った人の思い込みどおりの定義で動きます。

書いた定義を、検査の条件へそのまま写す

言葉にした定義は、検査の条件へそのまま写します。ここで言い換えたり、簡略化したりすると、定義と検査がまたずれます。あわせて、定義の外にあるものは検査にかからないと明記しておきます。「重複を全部弾いている」ではなく「この組み合わせの重複を弾いている」と読める形にするためです。

そのうえで、合格の表示は「定義の範囲で合格」と読むことにしました。修正そのものは、担当が別の人について、30 分でチェック本体を直しています。難しい修正ではありませんでした。難しかったのは、直す前に定義が曖昧だったことに気づくことのほうです。

AI に頼むときも、同じことを先に渡す

AI に検査を書かせるときも、同じことが起きます。「重複を弾いて」とだけ渡すと、AI が決めた定義で弾きます。何を同じと見なすかは、頼む側が言葉にする所です。ここを AI に委ねると、想定と違う定義で「合格」が返ってくることがあります。

定義を書く手間は、検査を作る手間より先に来ます。ここを飛ばすと、通ったのに素通りする形になります。

よくある質問

検査を厳しくすれば、重複は防げませんか。

厳しさの前に、何を重複と見なすかが決まっていないと、厳しくする方向自体を間違えます。まず定義から確認してください。

定義を書くのに時間がかかりませんか。

今回の修正自体は 30 分で終わりました。時間がかかるのは検査ではなく、「何を同じと見なすか」を言葉にする作業のほうです。ここは省略できません。

AI に検査を任せれば、定義も考えてくれますか。

AI は渡された言葉のとおりに動きます。「何を重複と見なすか」を決めるのは、AI ではなく頼む側です。

出典

  1. 本文の事例は、TEDIT 社内の気づきの記録に基づく自社の事例です。(2026-09-17 確認)
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