COLUMNAI導入

お客様の言葉は「症状」であって「原因」ではない

「こうしてほしい」という言葉は、そのまま作れば解決するとは限りません。同じ日に、それを思い知らされる出来事が2件ありました。この記事は、その日の記録です。

執筆: TEDIT(アポマル・カイランマルの開発元)

要望どおりに作ると、半分しか解けなかった

いただいたご要望は、「照合を待っている人を、その場で名前を入れて使える状態にできるように」というものでした。

そのとおりに作ると、ボタンが1つ増えるだけで終わります。けれど、日常的に多いのは「名簿に居る人と結びつける」ほうの作業で、そちらは解けないままでした。要望の文面どおりに作っても、半分しか解けていなかったのです。

実機を当てて分かった、隠れていた原因

代表が実機を触って、「名簿が画面で見えないことも、分かりにくくしている要因かもしれない」と言いました。

実物を当ててみると、画面の切り替えが排他になっていて、照合している間は名簿が画面から消えていたことが分かりました。2つを見比べる作業なのに、2つが同時に見えていなかったのです。もう一段上げて考えると、答えは「そもそも名簿を2つ持たせない」ことでした。

高く評価いただいたからこそ、分かったこと

別の日に、高く評価いただいたご感想がありました。「受付に端末を1台置いて、みんなで使い回したい」というものです。

ところが、当時の作りは1人1台が前提で、共有の1台では全員が同じ1人として記録されることが分かりました。評価が高かったからこそ、その使い方が成立しないことが分かった、という形です。いまは、最初に「どなたですか」を選ぶ順番になっていて、同じ端末から続けて送っても、記録は人ごとに分かれるようになっています。

手順、4つ

この2件から、手順を4つに決めました。

  • 要望を受けたら、「その人が困っている場面」を実機で再現する
  • 使い方を教えてもらったら、それを実装に当てて穴を探す(高評価ほど早く当てる)
  • 調査や過去の分析を、設計する人に渡す
  • 問題設定が上がったら、書きかけの設計を捨てる(着手前なら、損は設計時間だけで済む)

AIに設計を任せるときも、同じ

この考え方は、AIに設計を任せるときも変わりません。要望の文面だけを渡すと、文面どおりの物が出てきます。困っている場面ごと渡すことが、同じように大事になります。

お客様の言葉は、症状です。その言葉の奥にある原因まで見てから、直すものを決める。これが変わらない手順です。

よくある質問

お客様の言葉をそのまま聞かないのは、失礼ではないですか。

言葉を軽く扱うという意味ではありません。むしろ逆で、その言葉の奥にある困りごとまで確かめて応えるための手順です。

実機で再現する時間がない場合はどうしますか。

全件を毎回、というわけではありません。高く評価いただいたものほど早く当てる、という優先順位をつけています。

書きかけの設計を捨てるのは、もったいなくありませんか。

着手前であれば、損は設計にかけた時間だけです。問題設定を直さないまま作り続けるほうが、あとで大きな損になります。

出典

  1. 本文の2件の出来事は、自社の実測(2026-09-02)に基づく自社の事例です。(2026-09-17 確認)
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