はじまりは、
一冊の帳簿だった。
2005年、大学を出てすぐに飛び込んだのは、仙台市内の会計事務所だった。朝から晩まで、他人の帳簿と格闘する日々。最初は数字の羅列にしか見えなかったそれが、やがて「経営者の決断の軌跡」だと分かるようになった。
ある日、担当先の社長がぽつりと言った。「先生、うちの数字、来年はどうなるんだろう」。過去の整理しかしていなかった自分にとって、その問いは衝撃だった。数字は、振り返るためだけのものじゃない。前を向くための道具にできるはずだ。
2015年、独立。看板を掲げたのは、仙台市青葉区の小さなビルの一室だった。「帳簿を預かる」だけでなく、「数字で未来を設計する」税理士でありたい。その想いは、10年経った今も変わっていない。